イスラエルは世界で一番早くコロナのワクチン接種を始め、もうすでに今日現在で一回めのワクチンを打った人は人口の91.55%に到達している。そんなイスラエルから大規模フォローアップ研究の論文がNew England Journal of Medicineから公開された。まあ、素晴らしい論文である。ちなみにイスラエルで打たれているワクチンはファイザー社のものである。
ワクチンを打った人、打っていない人がそれぞれ60万人づつの追跡なのである。国をあげての調査で、まあ、知りたい情報が満載されている。普通、打った人、打たなかった人、の2グループに分けて追跡調査をするときに大事なことは、二つのグループの構成がなるべく同じになるようにすることである。男女比、年齢構成比、リスクが高いとされている疾患を持つ人たちの割合、インフルエンザのワクチンを接種有無の割合、などなど、それらをきっちり同じにしている素晴らしいグルーピングなのである。いやはや、研究者としては羨ましい限りである。夢のようなコホートである。こういう調査をコホート調査というのだが、まあ、教科書に乗っているような調査の理想を全てかなえた、というような感じなのである。もう、データを見ればスカッとするような調査である。こんなにきっちりとした大規模調査はやはり国をあげてではないとできない。イスラエルは皆保険の国で、その健康情報は国民番号に紐付けされて一元管理されている。だから最初にきっちりグループ分けをしてしまえばあとは、陽性になったとか、入院したとか、重症化したとか、全てコンピューター上で情報を収集できるのである。
さて、気になる中身なのだが、彼らが調べたのは一回めの接種日の14日後から20日後の感染率やら入院率やら死亡率やら何やらと2回めの接種日の7日め以降の感染率やら入院率やら死亡率やらを、ワクチンを打たなかった人たちと比較してワクチンによるcovid-19の防御率を計算したのであった。その結果、なんと、感染の防御率がそれぞれ46%(一回めの後)と92%(2回めの後)。症状有りのcovid-19の防御率が57%と94%。陽性の人の入院防御率が74%と87%、などである。
つまり、一回でも打てばかなりの効果が期待できるのである。2回打てばかなり安心できるというデータである。2回打てばほぼコロナで死ぬことはないのである。
8 件のコメント:
う〜ん、なんででしょうなぁこの違和感は?
確かにイスラエルという国、そこの住民(あえて「国民」とは言いますまい)になんでもかでも強制しているとは思いませんし「ここにいるより国境の向こうイスラエルっちゅう土地の方がうまい飯が食えるかも」ってんで自発的に集まってきた人もだいぶいるとかは聞きますが、”すべての住民が””一元的に”国家に管理されている…ってとこでしょうねぇ。
いや何イスラエルに文句付けようなんて考えはまるでないです、周りじゅうモスレムの国家に取り囲まれてそれこそ聖書の時代から「やぁ〜い」ってんでことあるごとに石投げられる、そんな経験をしてくればガチガチに固まってどこにも「遊び」のゆとりない効率一本槍の集団ができる、これは十分すぎるほど理解できるんですがわたしにはことごとく「管理されない」当地の風の方が居心地良く快適なんですよねぇ。
お上にナンザ管理されたくねぇのは交差点に信号がついていない、その代わりに日本で言うところのロータリー、交差点の真ん中に丸い島を作ってみんなその周りを時計回りに走りながら
自分の判断で望む方向に走り去る。
自分の右側から来る車の進行を妨げない、これだけがルール。国家権力の介入を最小限に抑えながら自発的判断でみんなの問題を解決する、植民地時代に山ほど本国の理不尽に喘いだ経験からの自主の姿なんだろうと。
日本から来た真面目友人がおこっていたなぁ「なんですかこのいい加減な交差点は。走る止まるがはっきりしないじゃないですかッ」って。
当地未だにワクチンのワの字も聞きませんぜ。
イスラエルのデーターを信じたいです。でもインフルエンザ予防接種以上の人数の
国民がコロナの予防接種を毎年1~2回受けるとなると労力も大変なものです。
今年度の接種は無料ですが、将来的にはどうなることやら。大変なエネルギーを
コロナのために費やしていることが残念というしかありません。
イギリス政府の副作用情報が出ています。
www.gov.uk/government/publications/coronavirus-covid-19-vaccine-adverse-reactions/coronavirus-vaccine-summary-of-yellow-card-reporting
先日、呼び出しに応じて、予防接種に行ってきました。接種センターによって、ファイザーのと、アストラ・ゼネカのと別れているようで、私の出かけたのはファイザーの方でした。上腕に筋肉注射という事ですが、0.3 ml と少量で細い針を使っているためか、注射時には痛痒無し。15分間の強制待機の後、解放されました。
予想通り、注射された部位に筋肉痛はありましたが、黄熱病の予防接種程ではありません。ただ、数日後に、発熱、その後下痢… と、副作用がありましたが、数日で正常に戻っています。12週以内に2度目があります。
こんにちは、さんさん。
イスラエルはなかなか見ると聞くとの大違いな感じの国ですよ。私は大好きでこれまでに3回行ってます。あれ、4回だったかな?何しろユダヤ教、ムスリム、キリスト教のテーマパークみたいな国、さらに、道なんか聞こうものなら日本人以上に親切にしてくれます。
国民番号に健康情報が紐付けされているのはラトビアも同じです。これは案外便利です。処方箋はデータベースの中にあるので、いちいち処方箋のためだけにお医者へ出向かなくても大丈夫です。
オーストラリアは感染がかなり収まっているのでワクチン後回しにされているのかもですね。
こんにちは、紫陽花さん。
何しろ60万人づつの比較ですから、信頼性はとても高いです。
本当にそうですね。コロナのために大変なお金とエネルギーを費やしていますよね。どうか、このワクチン接種で収まって欲しいものですよね。
私たちの子供時代は学校で集団接種なんてのがありましたが、今はないんだそうですね。
こんにちは、現役lecturerさん。
おめでとうございます。しかもファイザー。
イギリス政府は2度めの接種を12週間開けていますが、この論文を見ると一回の接種でもかなり効果があるということなので、結局は賢い判断だったのかなとおもいます。副作用、軽くて何よりです。
イギリスもかなり頑張ってワクチン打ってますよね。国民100人あたりの接種割合(2回摂取は二人とカウント)を見るとイスラエル、UAEに次いでイギリスは3位ですもんね。さすがです。
https://ourworldindata.org/covid-vaccinations
う〜ん、そうかぁ
付き合いもしないで人の集団を”聞いた話”だけで判断しちゃだめよっ…ってことでしょうかねぇ。わたしの身の回りにもユダヤ関係の(両親の片っぽがイスラエルからなんて)方はうじゃうじゃするほどいらしてみんな気がいい付き合いやすい人ばかり。
「何かを是非ともしなくちゃ」というときには”是非とも”するという集団の意思にわたしがなれていないだけの話かも、ですね。
こんにちは、さんさん。
イスラエルは常に戦時下ってことが統率力を発揮するんでしょうね。戦争と無縁の国に生きていられるならそのほうがいいとはおもいます。
コメントを投稿