ラトビアには日本のような職場で行われる健康診断は無い。
だが、実はOVPと呼ばれる義務化された健康診断があるのである。ただこれは従業員の健康を気遣ってという目的よりは、「その職場でちゃんと働けるのか」という目的のものである。一体どういうタイミングでこれが来るのか分からないが、夏休み中にこれを受けろというお達しが来たのである。もちろん、夏休み中にそんなことはしない。まあ、9月に入ってリガへ帰ったらどこかクリニックを予約しておくか、ぐらいに構えていた管理人である。
すると、9月に入ってから毎日大学の人事部から催促のメールが来るようになった。どうやらなんとかしないといけないようだ。というわけで近くのクリニックを予約して今日行ってきた管理人である。
クリニックの予約はネットでできる。当日は予約した医者の部屋の前で待つ、という謎仕様である。受付とかは通さないのである。ただ、予約確定メールにはどこに医者の部屋があるのかは書かれていない。とにかく誰かに聞かないとダメなのである。予約確定メールの画面を開いてレジスターというカウンターへ行くと「番号札を取って待ってください」というが強引に画面を見せて、「すみません。これ、ここであってる?」と聞く。そうすると画面を見て「これは7階へ行って。という」十分な情報を得たと思って7階へ行く。そして待っている人たちに混ざって待っていると、名前を呼ばれて部屋へ入る。この辺りの仕組みが全く理解できない。
じゃ、まず2階の204号室へ行って検査してもらってここへ戻ってきてね。
ということで医者の部屋7階から2階へGOである。204号室の前の椅子に座って待っていると部屋から助手さんが出てきて呼んでくれた。204号室では耳の中を覗いたり舌を見たり鼻の穴を見たりというものだった。事なきを得て7階へ戻ると次の指示が出た。
6階で心電図、5階で採血、3階で支払い、2階で視力検査、7階の別の医者のところで最終診断。である。
いつも何とも不安なのが、それぞれの検査の部屋に受付がないのでただ部屋の前の椅子に座っているだけなのである。すると時々助手さんが出てきて新しく来た人を認識してくれるというシステムなのである。まあ、詳細は省くとして2階の視力検査までやってきた管理人であった。
2階の視力検査は診察開始まで1時間待たなくてはならない状況であった。単に医者が来る時間が1時間後ということである。ゲームでもしながら待つか、と視力検査の部屋の前で待っているとさっき鼻の穴を見てくれた204号室で突然医者が出て行った。そして助手さんが出てきて
ドクターは気分が悪くて帰りました。今日の診察は全てキャンセルです。
204号室の前で待っていた人たちは驚きながらも散り散りに去っていった。
ああ、管理人の時は居てくれてラッキーだった、と思いながら視力検査を待つも誰も出てこない。その部屋には誰もいない。それでもとりあえず15分待つことにした。その間、もう誰も居なくなった204号室に若い男子がやってきて待ち始めた。
あー、204号室待ってるの?そこの先生気分悪いって帰っちゃって助手さんも部屋閉めてどっか行っちゃったから誰も居ないよ。
と教えてあげたのに
え、でも僕待ちます。
いやいや、待つのならご自由に。管理人はとりあえず視力検査は無視して最終攻略地点の7階の別の医者のところへ向かったのであった。
そこでは別の医者が総合診断を下してくれて職場に提出する書類にサインしてくれることになっている。このサバイバルゲームの最終ゴールは書類にサインだからである。
あー、視力検査の先生来なかったです。
まあ、ちょっと受付にどうなってるのか聞いてみますね。
と電話してもらったところ、その視力検査の医師は休暇中ということだった。何じゃそれ、である。
もう一度視力検査にこなくちゃいけませんか?私、最近眼鏡屋で視力検査してもらったんですけど。
と足掻いていると、
じゃあ、大丈夫。職務を遂行するのにメガネは必要、とだけ書いておいてあとは大丈夫ってサインしときますね。
と柔軟対応してもらったのである。めでたしめでたし、である。
このサバイバルゲームは全てラトビア語なのでこれを終えた後の管理人のラトビア語はちょっといい感じになっている。それにしても疲れた1日であった。