ローカルの市場には季節ごとに旬の食べ物が並ぶので、覗いてみるのが楽しみな管理人夫婦である。旦那のお目当てはキノコだが、管理人はまずなんでも旬のものなら面白いなあと思って眺めているのである。
先日、あるローカルの市場を覗いたところ、自家製のトマトを見かけたので買おうと思って近づいたら、その隣のおばあさんが「この豆いらんかね、美味しいんだよ」と話しかけてきた。トマト売りの男性は管理人のアジア顔を見て、「ラトビア語通じないよ」とお婆さんに言ったが、おばあさんは、
「私ゃこの人知ってるよ。ラトビア語を話すんだ。ね、この豆美味しいんだよ、ほら、まだ柔らかいんだ。だから一晩水につけたりしなくて良いんだよ。ちょっと茹でるだけで豆サラダにできるよ。」
と言うのであった。
そう言われても管理人にはそのお婆さんに覚えがないが、以前放映されたラトビアのTV番組でラトビアで暮らす外人として管理人の暮らしぶりとかが紹介されたので、おそらくそれを見たのだと思う。しかも時々再放送されているらしい。馴染みのスーパーでも「見たわよ、TV」と言われることが時々ある。
「やあ、美しい豆ですねえ」
と管理人が返すと、おばあさんは
「何より美味しいんだよ」
と言う。
| さまざまな模様の美しい豆たち |
面白いところは、何度「本当に綺麗な豆ですねえ」と言っても「そうでしょ」とは言わないところである。実はこれには訳がある。
以前、管理人は同じ豆をローカルの市場で買ったのである。とても綺麗な豆なので、これを使って料理をしたら見た目に映える料理になるのではないかと思ったからである。だが、実はこの豆、茹でたり煮たりするとこの模様が消えてなくなるのである。おばあさんはもちろんそれを承知で豆を売っている。なんだかとても好感が持てたのは、「そうでしょう、綺麗な豆でしょう」と言わなかったところである。「綺麗だけど茹でると模様は消えちゃうよ」と言えば豆は売れない可能性が高い。そこのところを微妙に会話をコントロールしながら、「美味しいんだから買っていきなよ」と勧めているのである。そのおばあさんの商売人だけど妙にギリギリの線で正直者を保っているところがちょっとツボにハマって、結局は豆を買った管理人であった。
おそらく、この模様は水溶性で温度をかけたときに拡散してしまうタイプだと思われるので、管理人はこれを煎り豆にしてみればこの模様が残るんじゃないかと思っている訳である。と言うわけでちょっと実験である。
6 件のコメント:
へぇ、ウズラマメの模様ってのは茹でると消えるんですか? 貴女のblgを読んでいて知らないことを教えられた日はこれで何度目だろう。ありがとう。
しかしそのばぁさん、なかなかどうして大したもの、自分の商品の特色はめいっぱいアピールするが本当のことは全部言わない、さりとて嘘はつかない
セールスの奥義を極めておられる。
またそれに気がつく管理人さん、大学の教授なんかもったいないんでは。
どちらもどっち、剣豪小説の達人同士の立会の場面みたい、両者立ち会ったままみしりとも動かずそのままじりじりと時が過ぎて行く、なんてね。
この勝負ついつい財布を取り出した管理人殿の負け、ばぁさんにっこり。
さんさん感心する
水に一晩浸けなくても、ちょっと茹でるだけでいい、なんて言われたら、買っちゃいそうです。
ギリギリの線で正直っていうの、確かに好感が持てます。
我が家も色んな豆を混ぜて一晩水に浸すのですが、一緒に浸けた黒豆とか金時豆の色で、翌朝にはうずら豆やとら豆の模様も殆ど目立たなくなり、大豆からハリコットビーンズからひよこ豆まで全部微妙な色に変わっています(その淀んだような色合いを隠すためにサラダにする時は枝豆とかコーンや人参を足すのですが)。なので、あの柄が消えるかどうか、気にしたことがありませんでした。
次に作る時に、確認してみます。もしかしたら新鮮だから柄がなくなるってこと、ありますでしょうか?水溶性とか炒り豆とか、確かに色々試してみるのも楽しそうです。煎り豆って大豆以外で食べたことないですが、美味しいのかしら?と興味も湧きました。
それにしても管理人さん、有名人ですね。管理人さんのような、日本の誇りになるような人が有名だと嬉しいです。私は日本の恥になりそうなので、有名にはなりたくないです。なので、せめて犯罪起こして有名になったりしないよう、日々気をつけて暮らしたいと思いました。
”水溶性”という言葉がパッと浮かんでくる管理人さんはやはり理系女です。
大豆はよく煮ますが、特に理由はないのですがうずら豆、とら豆はあまり買いません。
煮ているうちに模様が消えてしまうということは気づきもせず食べていました。
ラトビアで黒い豆を煮込むようですが、どんな豆なのでしょうか?黒豆とはまた違う種類なのでしょうね。
こんにちは、さんさん。
と言うか、私はこれがうずら豆と言う名前だと知りませんでした。さらに自力でググることすらしなかったという体たらくです。これの名前がうずら豆だと教えてくださってありがとうございます。これで色々と検索が楽になりました。
このうずら豆は茹でたり煮たりすると色素が水の方へ抜けていくんです。なので、煮たり茹でたりする時間が長いとか水の量が多いとかだとすっかり綺麗に模様がなくなります。結構がっかりします。地の色は残るので、ピンクっぽい豆に茹で上がります。
そそ、今回はおばあさんの勝ちですよ(笑)。多分、私は負け続けるんだと思います。
こんにちは、かまくらさん。
そうなんですよ、ギリギリなんです。そこがツボにハマって(笑)。こんな感じのやりとり、面白いなあと。カタコトでもラトビア語を話せてよかった、と思える瞬間です。
豆って色移りしますよね!今回の記事の裏付けで、一応ググって画像を見てみたんですが、うずら豆で模様を残している調理済みの画像は見つけられませんでした。
煎りうずら豆は諦めました。レシピを散々探したのですが出て来ず、大豆のみでした。きっと悲惨なことになるんだと思います。
こんにちは、紫陽花さん。
ラトビアで郷土料理とされている豆料理としては、黒えんどう豆の煮込みっていうのがあるんですが、これは
日本の豆煮込み感覚とはかけ離れています。ベーコンと動物の油脂と豆を煮込んだものです。豆は日本でおなじみの「みつ豆に入ってる豆」です。あれをコッテリ煮込むわけです。美味しいですよ。こちらでは調理済みで瓶詰めになっているものがスーパーで売られてます。一瓶を二人で分けて、これだけで満足できる一食分ぐらいの重さのあるメニューです。
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