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2023年2月1日水曜日

ラトビア版2022年の言葉

流行語大賞とかそういうのではないのだが、先日2022年を代表するラトビア語が発表になった。それは、

okupeklis (オクペクリス)

という言葉であった。これはokupācija (occupation、占領) とpiemineklis (monument、記念碑) からなる造語である。ラトビア各所にあったソビエト時代のモニュメントを指すものである。もちろん、レーニン像のようなものは随分昔に撤去されていたのだが、第二次世界大戦のロシア戦勝記念碑みたいなものはこれまで撤去できずにずっと残ってきたのである。それがこのロシアのウクライナ侵攻で一気に反露ムードに追い風がきて国内全てのソビエト関連モニュメントの撤去へと繋がっていったのである。もっとも象徴的だったのはリガの戦勝広場に聳え立つモニュメントで、その撤去作業はこのブログでもお伝えしたものである。

ソビエト時代のロシアの名残を消し去ろうというムーブメントはずっと続いている。

リガだけでなくラトビア東部の国境を接するような街でもロシア関連の通りの名前やバス停の名前を新しくどんどん変えていっているのである。

最近よくニュースで目にするのは

「ラトビア国内唯一の公用言語であるラトビア語」

という表現である。
その徹底をさらに深めているような印象である。とは言っても、ロシア語を話している人に対して嫌悪的な感情はないように見える。スーパーでもロシア語で話している人はごく普通だし、店員もそういう場合は普通にロシア語で対応している。スーパーの店員はロシア語で顧客対応できることを誇りに思っているようだし、というか、ロシア語が段々と本当の意味でのラトビアでの外国語になりつつあるようにも見える。おそらく、20年もしたらロシア語は英語と同じ外国語になるのだろうなあと感じさせるものがあるのである。



4 件のコメント:

紫陽花 さんのコメント...

管理人さん こんにちは。
今朝の新聞にパリオリンピックにロシアの参加が認められるならラトビアは参加しないという方針という記事がありました。ロシアに対する思いがそこまでとはちょっとびっくりもしました。過去の歴史を振り返ればロシアには金輪際関わりたくないのでしょうね。ラトビアの懸案事項が次々片付いていくことになったという点ではロシアのウクライナ侵攻が役にたったということですね。

さんさん さんのコメント...

紫陽花さまのご意見、誠に「腑に落ちる」もので徐々にではありましょうが話せる人の数が減り時代が変わるにつれてロシア語=外国語になっていくことでありましょうし、またそうあらねばならぬと思います。あのリガのロシア戦勝記念碑が取り壊されたのと同様力による外国の支配は忘却の彼方に流し去るべきもの。

しかしそれにつけてもアメリカの日本文化への占領政策は巧妙だった。いつの間にかモノがないことにつけ込まれて英語が喋れる人=偉い人という意識を日本人の心に染み込ませてしまった。
私もこの日向の田舎で「あんたどこから来なさった」という質問に「オーストラリアから」と答え様ものなら「偉いですねぇ」という返事が返ってきて目ぇ白黒させる有様。 いっそ隣町の名前を言った方がいいのかなぁ、厳密に言えばこれも「嘘ついたこと」になるのでしょうが。

Mikija さんのコメント...

こんにちは、紫陽花さん。
相当な恨みつらみがソ連へはあったということなんでしょう。
どうもこう言った動きはラトビアだけではないのでロシアがオウンゴールを決めてしまった感じがしますね。
そうなんですよ、今日までポーランドの大統領がリガにやってきていて、そうだそうだけしからんロシアとベラルーシが参加するなら私たちは参加しないぞ、とか話し合ったようです。

Mikija さんのコメント...

こんにちは、さんさん。
ええ、確かにどこの大学を受験するにも英語は必須でしたからねえ。その中で本当に珍しく、私の受験したその当時日本一学費の安い大学の生物科は2次試験に英語がなかったんですよ。それで受かりました(笑)。
これからはAIがメキメキ発達して行ってそのうち母国語以外の外国語を学ぶ必要がなくなるかもしれませんね。そうしたら「外国語勉強したなんて物好きだな」とか言われるような時代が来るのかもしれません。私たちはそんな時代までにはいなくなっているでしょうから、英語話せるさ、と今は威張っておきましょう(笑)。