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2023年7月28日金曜日

ユダヤ人夫婦の教え

ドルスキニンカイは19世紀からの温泉地で、特にソ連時代にはソ連中からたくさんの観光客が訪れて賑わっていたということである。そんな関係からドルスキニンカイではロシア語がだいたい通じる様である。管理人の友人はロシア語ネイティブのイスラエル人で、もう6年連続でドルスキニンカイで夏を過ごしているのである。イスラエルにはロシアから移住してきたユダヤ人が多いので彼らの間の口コミでイスラエルからドルスキニンカイへ避暑に来る人々は年々増えていると言う。

大体いくらかかるのか気になったので聞いてみたところ、8畳ぐらいのベッドルームが二つとダイニングキッチン、トイレ、シャワー、バルコニー、エアコン完備、週に一度清掃とリネン交換に来てくれて、立地は市場やスーパーマーケットへ徒歩5分と言うものでハイシーズンで一日あたり40ユーロだと言うことであった。

彼ら(80代と70代のカップル)の過ごし方は、朝湖で泳ぐ、散歩する、市場でローカルの野菜や果物や肉を買って、借りているアパートで自炊。同じように避暑に来ているイスラエル人とお茶をしたり、時々近くのスパで施術を受ける。地域のコンサートやイベントに参加したり、などである。

管理人夫婦はこのユダヤ人カップルにかなりインスパイヤーされていて、それが
「定年になったら冬はスペインで過ごすぞ」と言う計画に繋がっているのである。
ただ、それを実現するためにはやっぱりお金の問題が浮上してくる。しかし、それも彼らの生活ぶりをみているとなるほどと思うことがいくつもあるのである。

  • まず洋服はきちんとした品質のものを買ってそれをきちんと手入れし続けながら長く着る。Tシャツでさえ、洗い方も温度も気をつけているのである。
    彼らがずっと同じTシャツを何年も何年も丁寧に着続けているので、こちらも「ああ、この服は前回あった時に着てたやつだから何か新しいの買わなきゃ」とはならないのである。むしろ以前会った時に着てたものをまだちゃんと着てます、の方が評価してもらえるのではないかとさえ思うのである。
  • 残った食材や調理済みのあまりものはリアレンジして徹底して無駄にしない。保存用の容器は買わずにスーパーなどで手に入れたプラスチック容器などを使う。プラ容器に課金される場合は自宅から他のスーパーで手に入れたプラ容器を持参する。
  • ものすごいアナログ情報収集力。スーパーで「こう言うものが買いたいんだけどここで今日は何が一番お得?」と店員に直接聞いてから入店してぶらぶら商品を見て衝動買いとかしないようにしたり、ここからどこそこへ行きたいんだけどどう歩いて行ったら一番いいのかなと客待ちのタクシー運転手さんに聞く。

などなどである。
こうやっていくつか挙げてみるとケチっぽく見えるかもしれないが、要は無駄なお金をつかわずに快適に過ごす、と言うことを日頃からうまく実践しているだけなのである。もちろん彼らはこうした方がいいよなどとは言わない。彼らの暮らしを彼らなりに続けているだけなのである。だが、まあ見過ごせないことばかりなのである。なので、勝手に観察して、毎回、おおっと思っているのである。

彼らと会うといつもいろんな人生のヒントをもらってくるのである。

その場その場で誰がキッチンの支配者かを見極めてお尻をくっつけて忠誠を誓うぴえち。




2 件のコメント:

さんさん さんのコメント...

ニッポンのユダヤ人、なんてタイトルの本あったかなぁ、それってまさに私の買い物する時、まんまじゃないですか。
いいものを買って長く着古すまで使う、要らないと分かっているものは手を出さない。
もっともこの後の部分はあまりあてにできない。「今日必要なのは大根のみ」と心に決めて出かけてもレジに並ぶ時はあら不思議、いつの間にかカゴの中には大根の他に2品3品。
スーパーとはそんな魔術をかけるとこらしいです。

Mikija さんのコメント...

こんにちは、さんさん。
スーパーの商品陳列はいろんな理論に支えられて最も購買意欲を掻き立てるようにできているそうですよ。
友人のユダヤ人夫婦をみていると、見栄の微塵も持たずにと言うところが一番のカナメのように思いました。確かに見栄ぐらい馬鹿馬鹿しいものはないわけですが、そこがなかなか体現できないところでもありますね。