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2022年3月29日火曜日

さんさんのお話(13)ブリスベーン大洪水

今頃そんな話してる?などと仰せありますな、ちょいとサボっておりましたら管理人さんから催促のメールが。

逆に申せば催促をしてくださる方がいられる、「オメ、まだ忘れられとるわけじゃないんだかんな」と仰せある訳で誠にありがたく思いました。

でこれは二月下旬から今まで一月近く続く大雨でオーストラリアの東海岸はどこもかしこも水浸し、特に私が住んでおりますクイーンスランド州の南東部からNSW州の北東部はどこも洪水に悩まされました。

洪水って言っても日本の洪水のように濁流渦巻くとかは全くない、そこはそれ真っ平らな土地ですから洪水も池の水がいつの間にか増えるようにソロ〜リと上がってくる、はい逃げる暇は十分にございます。

これだけの大規模な洪水にあっても亡くなられた方の数がせいぜい数十人。その犠牲者も川が増水して橋の上まで水が来ているが「えい、行っちゃえ」と水の中に車を進めたら思ったより深くて車ごと水にさらわれた、という方がほとんど。何しろ広い国でしょ?橋だって日本でもたまに田舎道にはありますが”沈下橋”という種類、橋に欄干がなくて橋脚も短くて増水すれば流れは橋の上を越すという構造、日本風の鉄橋より格段に安くできますそうな。

でもね不思議でございます、これだけ水に使ってパァになった家財道具、それこそ一家のベッドからタンスソファから冷蔵庫洗濯機に至るまでありとあらゆるものがダメになっても堤防を作るという発想がない。

なまじじわっと水が上がるタイプの洪水で人の命はあまり犠牲にならないからかと思いましたが家財道具にはそれぞれ愛着もあり思い出もこびりついていてその一切を一夜で失う悲しみは見ていることすら辛いものがありまする。

新聞の写真から拝借した下の絵でも(わたしにはとてもこれだけの人様の不幸にカメラを向ける勇気がない)ゴミの山の上にきれいな国旗が建てられていて「全てのもの失ってもオーストラリア魂は元気だぞ」、と。

それでも川には堤防を作って川は堤防の間をおとなしく流れてもらうという発想がどこにもない。川というものは土地が窪んだところをぬって雨水が流れるものだ、と皆さん上から下まで思っていらっしゃるんでありますですよ。

「どうして?」ってここの人に聞いたらば「堤防ダァ?あんな見苦しいもの作られるっかよっ」って大変な鼻息。要するに窪んだところをゆっくり流れる川のヘリは芝生を植えて緑のスロープにする。コンクリートや土を積み上げて人の目を水から遮る、なんと無粋な発想をこのp東洋人はしているんだ!てな目つきでありました。

これは証明できませんが英国の原野、そこは貴族が馬に乗って狐狩りをする猟場、川があれば「はいよー」って馬を励まして飛び越えてこその狐狩り。堤防などあってはならぬものじゃぞえ、と言ったとか言わなかった、とか。そういえばイングランドの野原の写真で川を飛び越している絵は目にしますが堤防をかけ登る、なんてシーンは見たことがありません。

長年の習慣が身にしみついて「川には堤防などというものを作るものじゃない」のが当たり前になって植民地の私らも右へ倣え、なのではと思われるフシがございます。

三月になっても洪水は繰り返しやってきてそこはそれ地球温暖化だぁの合唱、それっきゃセリフがないのかえ?と言いたい。堤防なし川はまた次の大雨が降れば同じ高さまで水が来る。町役場に行けば何年の洪水はここまで水に浸かったという浸水危険図を見せてくれますし10年一回ほどの頻度で水に浸かる地域で火災保険に入ろうとすると他所より結構高めな保険料金になっていてびっくりしたりするそうです。

https://www.buzzfeed.com/ishabassi/australian-floods-aftermath-clean-up-photos?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharecopy&sub=0_128890311#128890311
より引用。


8 件のコメント:

Mikija さんのコメント...

こんにちは、さんさん。
いや、すみませんねえ、催促しちゃって。
洪水大変でしたね。ラトビアも私が来たばっかりの頃はちょっとの雨で道路が湖みたいになってましたが、最近は大雨が降っても大丈夫になりました。あと、雪解けの季節の川氾濫とかしょっちゅうありました。
やっぱり堤防作ったらしいですよ。

さんさん さんのコメント...

ですよねー、川の流れと人の身は…なんて言いますけれど川は川人は人、一旦降った雨は浸み込むか地表を流れる訳ですから100年に一回のは無理としても10年に一回のぐらいは人の家に侵入しないようにしてもらわないと。チャイナの諺にも黄河を治められるものは天下を治める
ってにがありましたが治水って言葉しらないのかな?そういやその10年前の洪水も上流に
飲料水用のダムができたのはいいんですが雨が降り出して水位が上がっても「水放流する?いいんだよ乾燥大陸じゃぁ、もったいないじゃん」ってダム管理者がいってるうちに危険水位に、こりゃ大変て一挙にダァーてんで全部一度に放流、おかげでブリスベーンは大洪水って漫画みたい。おまけに市長さんが役人の肩持って「飲料用の水を捨てるのをためらった気持ちはわかる」ってですって。どうしてレーダ=画面見ながらちょこちょこ調節しようとしなかったのか、まぁそこがオーストラリア気質のいいとこなのかもしれませんが「調節」が苦手なんですよ。

紫陽花 さんのコメント...

スーパー堤防なるものを築こうとして大騒ぎになったことがありましたっけ。
オーストラリアの人の大らかさ、大陸的発想は真似は出来ないものですね。
国民性によるものに他ならないですが同じことが繰り返し起こっても声を上げる人は少数派なのか自然に任せているのには脱帽です。

megmeg さんのコメント...

さんさん様、写真衝撃的ですね!それでも治水対策しないことはすごいなぁ~オージー。水の大切さも知った上で、受け入れてるのかな?でも恐ろしいです、水!

治水の名の元に土建やさんだけが儲けたところが多い日本各地。うちの近所はスーパー堤防のためだからとか言って動きたくない家を潰すことができる役人がいるところなので。

さんさん さんのコメント...

紫陽花様  スーパー堤防って何ですか?初めて聞きました。
東北の大平洋岸は津波にたびたび襲われるから海岸に端から端までベターっと堤防作ったら?という話はちょいと耳にしたことがありますが。

まぁ海っ側に住んでいながら堤防に遮られて海が見えない、海風が届かないこれは困りますよね。

それと似た感情なのかもしれません。洪水被害の予想図は見られるのだからそこに住むことがリスクがあるのはその場所を選んだお前の責任だ、と割り切れる欧米的個人主義なのかもしれません。

さんさん さんのコメント...

megmegさま

確かに100ミリ/時間という雨は生まれて初めて経験しましたが文字通り篠つく雨。
笹藪があると向こうが見えなくなるように雨で遮られて15mほど離れたところに止めている
自動車が朧にしか、輪郭がぼやけてなんか灰色の塊が見えるだけ。そんな降り方でした。

屋根に降った水を樋を通してでかいタンクに貯めてそれを飲む、天水ですな、夏になると蚊の赤ちゃんまで、を普段使っている身には旱魃でタンクの水位がジリジリ下がる、これは結構心臓にこたえますが堤防一切なしで、もいささか極端におもう。

あとねTVの中継、「本日は洪水の現場にカメラを出しております」ってなMCの話の後「現場です」って絵が出るとこれが朝早くからこてんこてんに目張りを入れてお化粧した女の子、「おいおい災害原画からの中継だぞ」と言いたくなるがそのアナウンサーが画面いっぱいに写って
洪水の現場なんかちっとも見えない。何メートルの水位上昇、床上浸水家屋何軒、なんていう話ばかり。
思わす「お前の顔よりカメラパンして洪水の悲惨さを映せぇ」と突っ込みたくなります。
何のために中継車を出したのかお化粧した女もこの顔見るためじゃなかろうに。

…とこのジジィは思いましたわさ。

柴犬 さんのコメント...

私はオーストラリア、クイーンズランドでも北の方に住んでいるので今回のブリスベンの洪水には驚きました。10年ぐらい前にもありましたよね。私が住んでいる地位域こそ台風通過で大雨がふるはずですが、去年から本格的に雨が降ったのは、12月に3日とか、3月に3日とかでほとんど降っていません。これこそ異常気象だと思います。
ニュースサウスウェールズの北部でまた今週も雨が降っているようで、気の毒です。

さんさん さんのコメント...

柴犬様 日本の柴犬オーストラリアでも流行り始めたのでしょうか、この頃ちょくちょく目にしますが…ってそりゃお前がど田舎からブリスベーンって都会に出てきたせい、ははぁ。
まぁねぇ堤防、滅多に雨降らないんだしあれ作るとめっちゃ金かかるし見場は悪いし、政治家に人気がないのもわかりますがねぇ。
確かに常習的に浸水する地区は不動産の値段も安い、市役所へ行けば何年の洪水はここまでって色分けした地図は見られるし「すべてはそこに住むことを決めたお前のせい」って言われているようでもあります。
お返事遅くなりましてご無礼いたしました。