日本の感想（人）

 10年前に一時帰国した時には若い男の子たちがすっかり綺麗になっていて驚いたものである。今回は若い女の子たちがさらに輪をかけて綺麗になっていて驚いた管理人である。

中学生ぐらいの子供たちから若い大人に至るまで、日本人は随分と綺麗に垢抜けたものだと感心したのである。綺麗な清潔感あふれる人たちばかりである。イガグリ坊主もいなければ癖毛少女もいない。雑誌に載っていてもおかしくないような綺麗な人たちが電車に乗っている。おじさんたちですら清潔感に満ち溢れている。

ただ観光で訪れただけなら、清潔な人たちの住む国だなあで済むのだろうけれど、管理人には少し複雑な感じである。

昔から感じていたのだが、日本という国では誰も彼もが切磋琢磨する。どんなに些細なことでも、である。しばしばその個人の切磋琢磨を無意識のうちに競い合うような感じになっていることすらある。それがもう外観を整えるということに関しては極みに達したという感じがするのである。おそらく、こんなに清潔感あふれてきちんと髪型を整えてメークをしている国民は世界にいないだろう。

10年ぶりの日本で強く感じたのは、日本は相変わらず独自路線で進化を続けていて、常にどんなことにも個人レベルで全力投球しているということである。それが日本を形作っている原点なのだと思うのである。それがゴミの落ちていない街を作り上げ、静かな誰も喋らない電車を作り上げているのである。整然とした街、誰もが礼儀正しい国、そこに住む人の望む姿なのである。他人に極力迷惑をかけないように気配りする、世界に類を見ない素晴らしい国であることは間違いない。

人々のファッションはちょっと日本独自の路線のように思った。特に女性はなんだかエスカレーターに巻き込まれるんじゃないかというようなロングのスカートを老いも若きも着ている人が多く目についた。流行ってるんですかね？ちょっと珍しい光景であった。

ああ、あと、着物姿の人が10年前と比べると増えた感じがしたのであった。京都のなんちゃって外国人の着物体験は驚くほどの数であったが、東京や横浜などの着物姿の人はちゃんとした着付けできちんとしている日本人ばかりであった。この東京や横浜で見かけた着物姿の日本人は、それはカッコ良い。立ち居振る舞いもカッコ良いなあと思ったのであった。

そして、総括として思うのは、10年の間に変わったのは日本ではなく、管理人自身だということである。日本は基本的に何も変わっていない。20年前に薄々感じていた、日本の切磋琢磨の輪にも日本の価値観の輪にも入れそうにない、ということを再確認することとなったのである。