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2025年4月20日日曜日

議論

 最近旦那が熱くなりがちな議論が、年金である。

友人たちとの会食や電話などで、よくありがちな、歯の治療費が高くて年金生活者にはきつい、とか今までたくさん働いてきたのに年金が少ないとか、そういう話である。それを聞き流せば良いものを「いや、それは」と結構痛いところをついていくのである。まあ、日本にいたら着実に友達を減らしていく正論を言うわけである。

ラトビアの健康保険制度では基本的に無料に近いものがほとんどである。その代わり長く順番待ちをしたりとかしなければいけない。白内障の手術も1年以上まつということは普通のようである。ただ、歯科治療に関しては全く補助はない。自己負担100%と思ったほうがいい。診てもらうだけで1万円ぐらいは普通である。抜歯しようものなら3万円コースである。これは歯学科の成り立ちとも関連していて普通の医学関連の診察治療とは違う扱いだからである。まあ、そんなわけなので歯の治療に関しては文句も出るのは頷ける管理人である。

たくさん働いてきたのに年金が少ない、という文句を言う人はたくさんいる。だが、そのほとんどはたくさん働いたけれども税金や社会保障費を払って来なかったと言う場合である。事業所ごとグルになって、現金で給与を渡すので申告は最低賃金とかそう言う感じである。若い頃は、「今に年金制度は崩壊する」とか「政府は信用できない」とか言う理由をつけて税金や社会保障費をスキップして得した気になっているのであろうが、それはそのスキップして払わなかった分を自分で貯金なり投資なりして将来のために積み立てていかなければならないのだが、そんなことを自主的にできる若者はいない。自分で稼いだお金だから使って当然と普通に使ってしまう。税金や社会保障料なんかを払う奴はバカだ。私は得してるんだ、と思う。それを繰り返してきて、いざ年金をもらう年齢になって年金が他人より少ないと文句を言う。

とまあ、そんな感じのことを旦那はいたって真面目に誰彼容赦無く言うわけである。

端的に言えばというか、直接的に

だって、社会保障費払って来なかったでしょ?年金額低くて普通でしょ?

と面と向かって言うわけである。いやはや、管理人だってその会話を聞きつつ、「そりゃ普通でしょ」と思いながら聴いているわけだが、日本人感覚では「そうだねー、そんな感じだよね」と適当な相槌を打って流すのが常道だと思うわけである。なので、いつも

旦那、攻めた議論展開してるけど大丈夫かね、人間関係崩さんかね?

とハラハラするわけである。

だが、これもまたちょっと議論慣れしていない日本人の管理人としては驚きなのだが、

今日は面白い議論ができたわね、

と相手も言ってなんとなく丸く収まるのである。

20年ラトビアに住んでいてもこと議論という点に関してはビクビクしてる自分には真似できないなあと思う次第である。今更誰かと議論したいとも思わないので、ちょっとだけ「そうだねー」という時の笑顔に引き攣りを入れてみようかと思った管理人であった。

管理人7歳の七五三の自画像。写真を見ながら描いた。


6 件のコメント:

さんさん さんのコメント...

おお7歳の管理人芸術家様のなんと凛々しく幼いなりにお美しいことか。と、ちと持ち上げすぎかとも思う語り口ですが、だってほんとだモン、というセリフがこの場合一番ぴったりくる。
素直にお受けくださいませ。
北国ラトビアの晩春はまだ寒いと思える風が吹いているのでしょうか。
南半球と逆の季節を迎え「やっぱこっちの方が5月が秋よりは肌に馴染むわい」などと呟いている私でありました。
しかし北半球の英国から遙かアフリカの南を回りシドニーに着いてそれこそ何にも無いところから国づくりを始め英
国人たちはやはり「強かった」と言えるのでは?それも何しろ馬で急いでもこっちから向こうの端まで半月はかかろ
うというべらぼうにでかい土地ですからね。

さんさん さんのコメント...

おお、7歳の管理人芸術家様のなんと凛々しくお美しいことか。と、ちと持ち上げすぎかとも思われる語り口ですが「だって、ほんとだもん」というセリフがこの際一番ぴったりくる。
北国ラトビアの晩春はまだ寒いと思える風が吹いているのでしょうか。
南半球とは逆の季節を迎え「やっぱり5月はこっちの方が肌に馴染むわい」などと呟いている私でありました。
しかし北国の英国から遙か赤道とホーン岬を超えシドニーに着いてそれこそ何も無いところから国づくりを始めた英国人たちはやはり「強かった」と言えるのでしょう。それもこっちから向こうの端までゆくのにウマで急いでも楽に半月はかかるというべらぼうにでかい土地柄ですからねぇ。

さんさん さんのコメント...

ごめんなさい、また間違えました。

Mikija さんのコメント...

こんにちは、さんさん。
こちらももう桜が咲いています。新緑が増えてきて春になりました。結構暖かいですよ。プラス10℃以上で日によっては25℃ぐらいまで気温が上がったりしています。南半球には行ったことがないので逆の季節の辛さというのはわかりませんが、想像するに大変なのだろうと思います。北半球のラトビアでさえ、日本の3月のイメージを持ち続けて20年経ってもいまだに当地の3月には文句を言いたくなります。
七五三の記念写真は特別ですから、緊張してたんでしょうね(笑)

紫陽花 さんのコメント...

管理人さん こんにちは。論破することに生きがい感じる人 居ますね。我が家にもいます。年金問題はどこの国でも同じようなことが起こっているのですね。
七五三の写真からのスケッチ 頭の飾り そうそうあの時代はこんな感じだった、髪の毛もおかっぱに近いヘアスタイルだったとちょっと懐かしくなりました。
新緑の季節 色鮮やかな木々がとても綺麗です。ただ今年の春は風が強い日が多いです。

Mikija さんのコメント...

こんにちは、紫陽花さん。
ヒヤヒヤしますよね(笑)。
七五三の写真は20年前の弟のお子達の七五三と比べてもなんだか違うなあと思いました。私たちの頃はこんな感じでしたよね。